コンピュータデザイン研究室の研究テーマを紹介します.
本研究室の研究概要を紹介します.
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コンピュータの用途が様々な領域に広がるにつれて、用途に応じてコンピュータの計算手法を見直す動きがでてきています。例えば、動画像処理における計算処理では高精度な演算処理は必要ではない場合が多いため、数値を確率として表現し計算結果を期待値として得る計算手法(ストカスティックコンピューティング)を用いることで、ノイズに強く高速で消費電力の小さいコンパクトなコンピュータを設計することができます。
このように、研究室では新しい計算手法を用途に応じて利用したり新たに提案することで、その用途に適したコンピュータシステムの設計法を研究しています。具体的には、ストカスティックコンピューティングに基づく耐故障システムの設計法、エラートレラントアプリケーションのための論理簡単手法、非同期式回路・システムの設計とその応用、サイバーフィジカルコンピューティングのための適応型システム合成法などが挙げられます。
コンピュータは家電製品や自動車などに組込みシステムとして広く利用されるようになり、その役割は単に生活を便利にするだけでなく、経済や生命にも大きく関わるものとなっています。そのようなコンピュータシステムを信頼して安全に利用できる、すなわち「頼れる(ディペンダブル)」ものにするには、耐故障性やフェールセーフなどの設計が必要です。
研究室では、小さい費用で設計可能な高信頼システムを設計するための手法を研究しています。具体的には、耐ソフトエラーを指向した高信頼設計、耐故障化システム合成法などの研究開発を行っています。また、FPGAを用いた安価で高信頼なシステムの実現も研究対象です。
半導体技術の進歩はめざましく、今日では、VLSI (大規模集積回路) は単にコンピュータ機器の部品として使われるだけでなく、家電製品や自動車の制御など、私たちの普段の生活に密接に関わるようになってきました。
このような大規模で高性能、高機能なVLSIの設計には、コンピュータによる支援設計(CAD: Computer-Aided Design)や設計自動化(DA: Design Automation)の技術が必要不可欠です。一般にVLSI-CAD/DAでは、面積、性能、消費電力などが考慮されますが、研究室では、VLSIの設計・製造から利用状況まで、VLSIの製品ライフサイクル全体の最適化を考えた設計、すなわち Design for X (DfX) を指向したCAD/DAを目指しています。例えば、製造容易化設計、テスト容易化設計、保守容易化設計などが挙げられます。
さらに、FPGAやGPUを用いたVLSI-CADの高速化 (ハードウェアアクセラレーション) にも取り組んでいます。