タイトル:動的再構成可能なプロセッサの自己テストに関する考察

著者: 藤井昴志, 市原英行, 井上智生

雑誌名:信学技報(DC2006-49)

Volume: 106

Number: 390

ページ: 65-70

発行月: 11

発行年: 2006

タイプ: techreport

アブストラクト: マルチコンテキスト型の動的再構成可能なプロセッサでは,1つのタスクの実行中に複数のコンテキストを切り替えることで高い面積効率を実現している.動的再構成可能なプロセッサは従来の再構成可能デバイスと構成が異なるため,そのテストには新たな手法が必要である.本論文では,テストフレームを用いた動的再構成可能なプロセッサの自己テスト手法を提案する.テストフレームの構成はコンテキストによって表現されるため,提案手法ではハードウェアオーバーヘッドがない.テストフレームはProcessing Element(PE)を複数用いて構成したテストパターン生成器,応答解析器とテスト対象PEから成り,これを切り替えることでプロセッサ全体のテストを実行する.テストフレームの構成が異なれば,テストの実行に必要なコンテキスト数が異なり,また,サイクルタイムも異なるため総テスト実行時間も変化する.ここでは,テストフレームの構成例を示しながら,テストフレームの構成とテスト実行時間,コンテキスト数の関係を考察する.テストの対象となるデバイスによりコンテキスト数の制約やコンテキスト数最小,テスト実行時間最小などのテストの方針も異なる.本手法により,コンテキスト数制約などのプロセッサの特性に応じて適切なテストフレーム構成により,テスト実行時間を最小にできる.