タイトル:ハンドシェイク遅延を考慮した4相2線式非同期システムの高位合成におけるスケジューリングアルゴリズム

著者: 猪谷孝太, 岩垣剛, 市原英行, 井上智生

雑誌名:信学技報, vol. 115, no. 339, DC2015-56

ページ: 147-152

発行月: 12

発行年: 2015

タイプ: techreport

アブストラクト: 本稿では,4相2線式非同期システムの高位合成におけるスケジューリング問題について議論する.高位合成の入力として与えられるデータフローグラフ(DFG)に対して,依存関係のない演算間に実行順序を定めること(スケジューリング)は,演算の並行性(演算器の共有可能性)を変化させるだけでなく,それらの演算の開始と終了を制御するハンドシェイクに要する遅延(ハンドシェイク遅延)にも影響を与える.ハンドシェイク遅延は演算の遅延と比べて無視できないため,ハンドシェイク遅延を含めた回路全体の遅延(レイテンシ)を考慮したスケジューリングが重要となる.一方,レイテンシ削減技術の1つである演算チェイニングにおいて,チェイン内の複数の演算に対するハンドシェイクが一括して実行されるが,これはハンドシェイク遅延の削減につながるため,スケジューリング時に演算チェイニングを考慮することも重要である.以上の考察から,演算チェイニングを前提とした,リソース制約下(演算器数制約下)レイテンシ最小化問題に対するヒューリスティックアルゴリズムを提案し,ベンチマークDFGに対する適用結果を示す.

リファレンス: http://www.ieice.org/ken/paper/20151203abED/