タイトル:ストカスティック反復による積和演算アーキテクチャ

著者: 杉野達美, 市原英行, 岩垣剛, 井上智生

雑誌名:信学技報, vol. 116, no. 478, VLD2016-130

ページ: 157-162

発行月: 3

発行年: 2017

タイプ: techreport

アブストラクト: 今日のLSI製造ばらつきや微細化によるソフトエラーの発生率の増加を受けて,数値を確率として表現し演算を行うストカスティックコンピューティング(SC)が注目されている.
SCは,古くから存在する1つの計算手法であり,回路面積が小さく故障耐性が高い特長がある.
本研究では,高い故障耐性を保持するためにSCのみ用いた積和演算アーキテクチャを提案する.

従来の積和演算回路は,2進数で数値を記憶したり演算を行う部分を含んでおり,この部分が信頼性の低下の原因となる.
提案アーキテクチャは,演算結果を常に確率として保持しながら反復(ストカスティック反復)演算を行うため,高い故障耐性が期待できる.

顔認識などで用いられるべき乗法を対象とした実験結果から,提案したSCのみ用いた積和演算アーキテクチャは高い演算精度を保持したまま,わずかな回路面積の増加で高い故障耐性を得られることを示す.

リファレンス: http://www.ieice.org/ken/paper/20170303Vbs4/