若くない読者だけど

研究ゼミ2つ.その後,明後日の授業の準備.明後日の授業は最終課題ということで,これまでにやってもらった情報処理技術の復習を行う.ということで,課題を作成中.
週末読んだ本を紹介.技術書じゃないけど村上春樹.
若い読者のための短編小説案内
いわゆる戦後日本の代表的な作家(6人)に対する村上春樹による書評です...いや,書評とは違うな.評論してやろうという感じではなく.一人の作家である村上春樹によるきわめて個人的な分析という感じかな.村上春樹が好きな作家と言うことで,月並みな言葉で言うと,どの分析にも愛があります.
恥ずかしながら,この本で分析されている6人の作家の作品は読んだことがない.安岡章太郎は名前は聞いたことがあるけど,作品を手に取ってみたこともない.しかし,そんな自分でもこの本は楽しめました.なんか読んでないけど村上春樹の分析を聞いていると読んだような気になるから不思議.
分析は作家としての立場からなされているため,小説を書くときにどのような心情で作品に向かっていたのかが(村上春樹の想像ではあるものの)よくわかる.このあたりの心情の分析は,論文を書く我々研究者も参考になると思っている.もちろん論文は客観的な文体であるものの,なにかを伝えたいという気持ちは当然あるわけで,その部分を表現するのは思ったよりも客観的ではなかったりする.なるべく客観的であろうとするためクールに書きますが.(そういう意味では吉行淳之介は気になっています.)
読み終わって,この本で紹介されている本を何冊か読んでみたくなったので,Amazonで注文.すると同じような行動を取った人は多いみたいで,この本で紹介されている本を1冊注文すると「この本を買った人はこんな本も買っています」リストに,しっかりと他の本がリストアップされていた.ちょい笑った.便利だったけど.

Leave a Reply

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です