本研究室の研究概要を紹介します.
1. ディペンダブル dependable(頼りになる)とは ?
「提供されるサービスが正確で信頼できる」というコンピュータ システムの性質
- サービス:ユーザが認識するシステムの振る舞い
- ユーザ:システムと相互作用する他のシステムや人
ディペンダブル・コンピュータシステムの必要性
- どんなものでも「完璧 (絶対大丈夫)」はあり得ない
- 高い信頼性が要求される場面
- 金融機関,医療機関,ロケットや人工衛星,交通機関制御
- 私たちの生活に密着するようになり,ますます重要に
- CPS(Cyber Physical System),IoT(Internet of Things)
安心安全なCPS/IoT社会を支える3つの要素技術
- フォールトトレランス
- フォールトアボイダンス(テスト)
- エラートレランス
2. フォールトトレランス fault tolerance
- 誤りを検出して,障害となってユーザに見える前に対応するしくみ や方法のこと(tolerance:我慢,耐久力,寛容)
フォールトトレランスのポイント
- できるだけ小さいコストで高信頼を得たい
- 既存の技術やデバイスで低コスト化
- 耐故障化が必要なところだけ「強く」(以下の 4. にも関連)
- できるだけ性能を落とさずに高信頼を得たい
- 再構成可能性技術を使って適切な高信頼設計
- 高い回路合成技術
- サイバーフィジカルシステムに適したフォールトトレランス
3. テスト testing(フォールトアボイダンス)
- システム/モジュールが正しく動作するかどうかを確かめること
- システム/モジュールにテストパターンを入力し,出力応答を期待値と 比較することによって,正常に動作するかを判定
テストのポイント
- 低コスト/高品質テスト
- 設計工程の早い段階(高位)からテストの容易性を考慮した設計
- 適切な(過不足なくちょうどよい)テストの実施
- テストデータの圧縮/伸張
- 設計から製造までを意識したテスト設計
- テスト装置が壊れることの心配
- ハードウェアの力で高速なテスト生成
4. エラートレランス error tolerance
- 誤り(エラー)が現れてもユーザが気づかない場合があることを 積極的に利用すること
- わずかな障害も許されないシステムがある一方で,多少の誤りでは 障害にならない(「大きな問題にならない」)システムも存在
- システムの低面積化,低消費電力化,テストコスト削減化等,利点多数
ストカスティックコンピューティング
- エラートレランスを実現する1つの手段
- 確率的な演算を行うことで低消費電力,低面積,高エラー耐性を実現